高血圧症の診療−24時間自由行動下血圧測定
当院では患者さんの身体情報（身長，体重，体脂肪率，血圧など）や検査結果（血液・尿検査，レントゲン，心電図，超音波など）を電子化して診療に役立てています．
24時間自由行動下血圧の記録
家庭血圧を測定しても夜間高血圧（夜間睡眠中に血圧が下降しない，または上昇する；正常では夜間睡眠中の血圧は下がる）は見逃される場合があります．夜間の血圧は診察室血圧や家庭血圧よりも心血管疾患の発症と関係があるといわれています．当院では高血圧症で夜間高血圧が疑われる方（家庭血圧測定で早朝高血圧が指摘された方，肥満，糖尿病，慢性腎臓病，心不全などを合併している方）や，血圧変動の大きい方には24時間自由行動下血圧測定を行い，血圧のよりよい管理に役立てています．
検査方法
第1日目：一般の血圧測定と同様にカフ（腕帯）を上腕に巻き，小型の自動血圧計（下図 約290g）を肩にかけます．その後は通常通りの生活をしてもらいます ．
第2日目：24時間後に再び受診して，カフと自動血圧計を外します．自動血圧計の内容を15分ほどで解析して結果をその場で説明します．
有用な検査である反面，頻回の血圧測定のため仕事や睡眠の妨げになる場合もあるので，検査前に注意事項の確認が必要です．
正常な血圧日内変動
24時間血圧の平均値は123/77mmHg，昼間血圧の平均127/80mmHg，夜間（睡眠時）血圧の平均109/67mmHgです．このように昼間が高く，夜間（睡眠中）は低くなるのが，正常な血圧の日内変動です．
夜間高血圧
正常の日内リズムが消失し，夜間に血圧が上昇しています（夜間高血圧）．これは高血圧症で最も良くないタイプであり，降圧薬にて昼間だけでなく夜間の血圧を適正に下げる必要があります．
夜間過降圧
血圧の日内変動幅が大きすぎる，つまり昼間の血圧は高すぎ，夜間は逆に下がり過ぎているのが分かります．降圧薬の調節が必要な例です．
これらの結果は希望される方にはプリントしてお渡ししております．
(この頁で紹介したデータは実際の患者さんを参考にしてデモンストレーション用に作製したものです)
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